○美波町建設工事適正化指導要綱

平成22年3月11日

告示第8号

(目的)

第1条 この要綱は、美波町(以下「町」という。)が発注する建設工事の請負契約の適正化、元請下請関係の合理化、適正な施行体制の確立等に関し必要な事項を定めることにより、建設工事の適正な施行を確保し、建設業の健全な発展を図ることを目的とする。

(定義)

第2条 この要綱において、次の各号に掲げる用語の定義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 建設業者

建設業法(昭和24年法律第100号。以下「法」という。)第3条第1項の許可を受けて建設業を営む者をいう。

(2) 下請契約

建設工事を他の者から請け負った建設業を営む者と、他の建設業を営む者との間で当該建設工事の一部について締結される請負契約をいう。

(3) 元請業者

町から直接建設工事を請け負った建設業者をいう。

(4) 下請負人

下請契約における請負人をいう。

(一括下請負の禁止等)

第3条 一括下請負は、中間搾取による工事の質の低下、労働条件の悪化等が発生するおそれがあるとともに、工事施工の責任の所在が不明確になるなど町の信頼に反するものであること等の弊害が考えられるため、請け負った建設工事を一括して他人に請け負わせてはならない。

2 建設業者は、不必要な重層下請を行わないものとする。

(下請の選定)

第4条 元請業者は、下請負人の選定にあたっては、その工事の施工に関し法の規定を満たす者であることはもとより、施工能力、経営管理能力、雇用管理及び労働安全衛生管理の状況、労働福祉の状況、関係企業との取引状況等を的確に評価し、優良な者を選定するものとする。

2 元請業者は、その工事の入札に係る他の入札参加者を下請負人として選定してはならないものとする。

(技術者の適正な配置等)

第5条 建設業者は、工程管理、品質管理、安全管理等に遺漏が生ずることのないよう適切な資格、技術力等を有する技術者等を適正に配置しなければならない。

(契約締結に際しての指導)

第6条 契約担当者は、法に基づく適正な施工体制を確保するため、元請業者に対し町との契約締結の日の翌日から起算して1ヵ月以内に、施行体制台帳、及び施行体系図の整備を指導し、当該建設工事の施工体制を把握するものとする。

(適正な契約の締結)

第7条 建設工事の施工における下請契約(二次以下の下請契約を含む。)の当事者は、契約の締結にあたって次の事項を遵守するものとする。

(1) 建設工事標準下請契約約款(昭和52年4月26日中央建設業審議会決定)又はこれに準拠した内容を持つ契約書により、書面による契約を締結すること。

(2) 契約の当事者は、対等な立場で十分協議のうえ施工責任範囲及び施工条件を明確にするとともに、適正な工期及び工程を設定すること。又、工事内容に変更が生じ、工期若しくは請負代金を変更する必要があるときも同様とする。

(3) 請負価格は契約内容達成の対価であることの認識の下に、施工責任範囲、工事の難易度、施工条件等を反映した合理的なものとし、消費税相当分を計上すること。

(4) 請負価格の決定は、見積及び協議を行う等の適正な手順によること。

(5) 下請契約の締結後、正当な理由なく請負価格を減ずる等、自己の取引上の地位を不当に利用しないこと。

(代金支払いの適正化)

第8条 下請契約における注文者(以下「注文者」という。)からその契約における受注者(以下「受注者」という。)に対する請負代金の支払時期及び方法等については、建設業法に規定する下請契約に関する事項のほか、次の各号に定める事項を遵守するものとする。

(1) 請負代金の支払は、請求書提出締切日から支払日(手形の場合は手形振出日)までの期間をできる限り短くすること。

(2) 請負代金の支払は、できる限り現金払とし、現金払と手形払を併用する場合であっても、支払代金に占める現金の比率を高めるとともに、少なくとも労務費相当分については、現金払とすること。

(3) 手形期間は120日以内で、できる限り短い期間とし、一般の金融機関による割引が困難であると認められる手形を交付しないこと。

(4) 注文者は、前払金の支払を受けたときは受注者に対して資材の購入、建設労働者の募集その他建設工事の着手に必要な費用を現金で前払するよう配慮すること。

(5) 建設工事に必要な資材を、その建設工事の注文者から購入させる場合は、正当な理由なくその建設工事の請負代金の支払期日前に資材の代金を支払わせないこと。

(6) 元請業者は、下請負人の倒産、資金繰りの悪化等により下請契約における関係者に対し、建設工事の施工に係る請負代金、賃金の不払等、不測の損害を与えることのないよう十分配慮すること。又、元請業者は、下請工事の施工に関し紛争が生じないよう努めること。

(元請業者の届出書類)

第9条 元請業者は、建設業法施行令(昭和31年政令第273号。以下「施行令」という。)第7条の4に定める金額以上の下請契約を締結した場合には、すべての下請負人の技術者、安全衛生責任者等を把握し監督・管理するとともに、次の各号に掲げる書類を提出しなければならない。又、二次以下の下請契約がある場合も同様とする。

(1) 下請負通知書

(2) 施工体制台帳の写し

(3) 施工体系図の写し

(4) 下請契約書の写し

(5) 再下請負通知書の写し

2 元請業者は、下請契約を締結した下請負人に対し、当該下請負人の請け負った建設工事を他の建設業を営む者に請け負わせたときには、法第24条の7第2項の規定による通知書を提出するよう指導しなければならない。

3 元請業者は、下請金額の総額が施行令第7条の4に定める金額未満で下請契約を締結して工事を施工する場合は、前1項と同様、各書類を提出するものとする。ただし、施工体制台帳の写しの添付は、省略できるものとする。

4 契約担当者は、次の各号に掲げる事項が生じた場合には、元請業者から、速やかに下請施工状況変更届を提出させなければならない。この場合において、当該変更届には前1項で規定する書類の内、変更内容に応じた書類を添付させるものとする。

(1) 新たに下請契約を締結した場合

(2) 下請契約を解除した場合

(3) 請負代金額を変更した場合

(4) その他既に提出されている書類に変更が生じた場合

5 第1項の元請業者は、施工体系図を作成し、当該工事現場の工事関係者及び公衆の見やすい場所に掲示しなければならない。

(施工段階における指導)

第10条 契約担当者は、この要綱の適正な施行を確保し、その趣旨の徹底を図るため、次の各号に定める措置をとるものとする。

(1) 契約担当者は、第6条又は第9条の規定により提出された書類に基づき、施工状況について適宜現場確認を行うものとする。

(2) 契約担当者は、前号による確認の結果、次の(ア)から(ウ)に該当する場合には、元請業者に対し、是正指導をするものとする。

(ア) 工事内容、現場の状況等が、提出された書類の内容と相違している場合

(イ) 下請契約の締結方法、下請契約の内容、技術者の配置状況等が不適切と判断される場合

(ウ) 第6条に掲げる書類が整備されていない場合

(3) 元請業者又は下請負人が前号の指導に従わない場合又は指示した事項に関する措置の結果が適切でない場合、若しくは指示した事項が通常必要と認められる期間を経過してもなお適切に措置されない場合において、町が発注する建設工事を施工するに適さないと認められるときは、工事の入札における指名の排除等適切な措置をとるものとする。

(建設労働者の技術・技能の向上)

第11条 建設業者は、建設労働者の能力の開発及び向上のため、技術及び技能の研修・教育訓練に努めるものとする。

(工事事故、災害の報告)

第12条 建設業者は、建設工事の施工にあっては、保安員の適正配置、地下埋設物に対する取扱等には十分配慮し、事故若しくは災害等が発生した場合には速やかに報告するものとする。

(その他)

第13条 建設業者は、この要綱に定めるもののほか、建設業法、労働基準法、最低賃金法その他の関係法令を遵守するものとする。

この要綱は、平成22年4月1日から施行する。

美波町建設工事適正化指導要綱

平成22年3月11日 告示第8号

(平成22年4月1日施行)